弱毒性ウイルスによる呼吸器感染症:その自然の摂理
2021.1.16 京都大学名誉教授 川村 孝
《生物学的特性》
● 感染しても無症候のままの者が少なからず存在し、感染者の悉皆的な捕捉が難しい。そのた  め、病原ウイルスが潜行して拡散する。
● 感染後6時間程度で増殖サイクルが一回りし、ウイルスが放出され始める。その過程が細胞  を変えながら繰り返され、生体全体としてネズミ算式にウイルスが増える。感染直後はウイ  ルス検出が不可能で、感染初期はウイルス数が少ないために検出できないこともある。
● 主に飛沫に接触することによって感染する。浮遊するエアロゾル(微小飛沫)を吸入するこ  とによっても感染する。ただし、エアロゾルは小さいために含まれるウイルス量が少なく、  かつ生存時間が空中ではプラスティックやステンレスに付着した場合(数日以内)に比べて  短い(数時間以内)ため、エアロゾルによる空気感染は主たる経路ではない。

[註1]感染する余地は「免疫」と「衛生行動」によって決まる。前者には自然免疫(好中球やマクロファージ、ナチュラルキラー細胞など)と獲得免疫(T細胞、抗体など)がある。免疫は「あり/なし」ではなく、0~100%の連続的なものである。低ければちょっとした機会でもすぐに感染し,高ければ強い曝露に耐えられる。中間的であれば、曝露する病原体の量や生体側の体調によって感染したりしなかったりする。

大変勉強になりました。