【点描・永田町】不安と不信の「緊急事態再宣言」
JIJI.COM 2021年01月24日19時00分

菅氏が官房長官時代にその仕事を無難にこなしてきたのは、官房長官としての能力があったからだ。総理就任時にマスコミは、菅氏の能力を実務派としてもて囃した。その結果が70%を超える高支持率だ。決して総理としての能力があったからではない。もともと東北人独特の寡黙が官房長官の仕事に向いていたし、多くを語らず余計なことを言わずに粛々と職責をを果たしてきた。だが総理の職はそうは行かない。官房長官は総理の補佐をするだけで済むが、総理の仕事は、自ら考えて想像し計画し決断して政策を進めなければならない。菅氏にはその総理としての能力が欠けているのだ。

それにしても「(冒頭発言を)私からの挨拶とさせていただきます」は、思わず失笑してしまう。笑っている場合ではないが。

このままでは、コロナの収束は程遠く、五輪中止とともに、3月にも政権危機に陥りかねない。