第6波は必ずやってくる。政府が11月にも実施を目指す「行動制限緩和」は極めて危険だ。世界の感染状況を見れば、ワクチン接種が進んだ国でも感染対策を緩めれば再び感染拡大が起こっている。昨年の11月はまさに、第3波の入り口だったのだ。

ワクチン接種完了でも「150日間で死者10万人超」の衝撃予測! 行動制限を緩和して大丈夫なのか?
日刊現代DIGITAL 公開日:2021/09/15 13:50 更新日:2021/09/15 19:59
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 問題の資料を示したのは、京大ウイルス・再生医科学研究所の古瀬祐気特定准教授。厚生労働省クラスター対策班のメンバーだ。ワクチン接種の進み具合と、人々の行動を基に、今後の感染状況を予測している。

 古瀬氏は、60代以上の80%、40~50代の60%、20~30代の45%がワクチン接種を完了した「最低目指したいシナリオ」と、「ありえるシナリオ」(60代以上85%、40~50代70%、20~30代60%)、「目標となるシナリオ」(60代以上90%、40~50代80%、20~30代75%)の3つのシナリオに基づき、150日間での累計死者数を算出した。

ワクチン接種完了でもコロナ以前の生活には戻れない可能性

 予測によると、最も接種の進んだ「目標となるシナリオ」ですら、2019年以前の生活様式に戻れば、10万人以上の死者が出る恐れがあるという。古瀬氏がこう言う。

「シミュレーションのポイントは、想定するワクチン接種を完了しても、完全には以前の生活には戻れないかもしれないということです。マスク着用や3密回避など、人との接触を40%程度減らした生活様式を続ければ、医療逼迫や死者10万人超には至らず、『ウィズコロナ』を達成できる可能性はあります」